special feature My BABY&Me

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vol.06
株式会社ファッション須賀(hakka-group)バイヤー
向 華むかい はな さん

先輩ママ・パパへのインタビューを通して「育児と仕事」をテーマに物語を紡いでいく特集『My BABY & Me』。

vol.06では、国内外問わず、デザイン性・機能性の高いものから遊び心のあるキッチュなものまで幅広く取り揃えるキッズブランドの『Ribbon hakka kids』などを展開する株式会社ファッション須賀でバイヤーを務める向さんにお話をうかがいました。子育てをきっかけに変わった仕事へのスタンスや、18歳になり巣立ちの時期を迎えた一人息子との関わり方や将来への想いなど、ベビミ世代のママパパの先輩として示唆に富んだお話を聞くことができました。

撮影地:Ribbon hakka kids 六本木ヒルズ店

2023年春に20周年を迎えた「hakka kids」のコンセプトショップ。"anniversary"をテーマに、オリジナルブランドの「hakka kids」の子ども服や、国内外から集めたキッズアイテムを展開する。

まずはお仕事の内容についてお聞かせください。業務としてどういったことをされているのでしょうか。

お店の商品は洋服と一部雑貨がオリジナル、それ以外は仕入れという形でして、その仕入部分...雑貨などですね、そこを担当しています。あとは売り場づくりなどですが、これは私一人でやるのではなく、特にこのお店は旗艦店なのでスタッフと社長もいっしょになって什器やレイアウトを考えています。

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いまの会社に入った経緯はどのようなものだったのでしょうか?

大学を卒業して、最初はアパレルメーカーに入り16年くらい勤めました。インポート事業部というところで海外からの仕入れなどを担当し、婦人を中心としたブランドを扱っていたのですが、子どもができて「子ども服をやりたいな」と思うようになり、転職していまの会社に入りました。

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「アパレルの海外仕入れをやっていて、子ども服に興味があって...」といまの会社からしたら理想的な人が入ってきたって感じですね。

どうなんですかね...笑 ちょうど前任のバイヤーが辞めるタイミングで、入れ替わるような形で入ったのですが、私になってから多分品揃えが多少、男の子っぽくなっていると思います(笑)。
もともとは女の子っぽいメルヘンチックなラインが多かったんですが、私の場合「うちの子にこんなの着せたい」というのが根底にあるのでだんだんそっち寄りに(笑)。
かっこいい系の男の子の服も当時はなかったので新しくブランドを作ってもらったりもしました。

すごい(笑)。そうは言っても男女ともに使いやすいアイテムが多く、自分の子ども用や、他の子へのギフト用にもいいなと思いました。いまオススメの商品や人気の商品を教えてください。

このアニマルチェアのシリーズはずっと人気ですね。小鹿はお店のイメージキャラクターでもありまして。実はこのシリーズはお店の販売スタッフがデザインしたんです。

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え!? どういった経緯でそんな話になったのでしょうか?

もともと、そのスタッフがものづくりに興味があるというのは聞いていたので、店舗スタッフも商品開発に関わるような形にできればと思って企画を担当部門に持っていってみました。そしたら承認してもらえて...という感じですね。そういった柔軟性のある会社だと思います。

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そういうのはモチベーション高く働き続けるには必要ですよね。ご自身のバイヤーとして心がけていることや、嬉しい瞬間はどのようなときでしょうか。

なかなか新しいものを見つけるのは難しいですが、それでもウチがやる意味のあるものを探し、皆さんに知っていただきたいと思っています。そうして見つけてきたものがお客様とメーカーさんの両方から喜んでいただけると嬉しいですね。私自身、素材にこだわっていたり、安全への配慮をしていたりなどバックグラウンドがしっかりした商品が好きなので、それをしっかり伝えていきたいと思います。

続いて、お子様についても話を聞かせてください。いま18歳ということですが、今年受験でしょうか?

いま野球留学という形でアメリカの大学野球部に所属できるよう頑張っているところです。

すごいですね。プロを目指しているのでしょうか?

いえ、プロになれればいいんですけど(笑)。「セレクション」(※編集注:アメリカの大学を回り、各校のコーチやスカウトにプレイを見てもらい、入部させるかを決めてもらうテスト)という仕組みがあるのを知って、元々アメリカの大学を目指していたので、どうせ行くなら野球もやれたほうがいいだろう、という感じですね。8月にサンディエゴにセレクションを受けに行ったところです。

お子様を海外に送り出すのは、これからの時代を考えたときに理想的な選択だなと思う一方で、世の中の親御さんの中には結構不安や抵抗があって踏み切れない方もいるかなと思います。そのあたりは特に心配はされていませんか?

心配は当然ありますが、やはりこれからは英語は話せるようになっておいてほしいなという思いがありまして。
また、私自身、海外で暮らす選択をしなかったことに後悔のようなものがあるんですね。私の育った環境として、親がハワイが大好きで家も向こうに買っていて、親は1年の半分くらいは向こうにいるような生活だったので、私が中学のときに「皆で移住してしまおうか」という話があったんです。そのときは子どもらしく「友達と離れたくない」と言って移住するという話はなしになってしまって。
結局、ちょこちょこハワイに行くような生活になったのですが、私自身、英語も中途半端なものになってしまったので、子どもにはちゃんと身に付けてほしいなと。

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今でもハワイに家があるのですか?

父が亡くなってずいぶん前に売ってしまっているのですが、多少は知人がいるので、まったく知らない国に行くよりは安心感はありますね。

お子様が小さいときはどのようにいっしょの時間を過ごされたのでしょうか?

振り返ってみると本当にずっと野球をやっていたなと思います(笑)。毎週土日は必ずいっしょに練習に行って。チーム遠征や合宿もありますし、小学校と中学校はずっとそんな感じで、もうほかに何をしてたか思い出せないくらいです(笑)。

毎週というのはすごいですね。ご自身ももともと野球がお好きなのでしょうか?

いえ、全然そんなこともなくて。テレビで野球が点いてても「何が面白いの」みたいな感じだったのに、いつの間にかそうなってました。

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野球が好きだったわけでもないのにそこまでできるのは本当にすごいですね。私は駄目な親なので「せっかく自由時間のチャンスなのに」と思ってしまいます(笑)。

そういう風に仰ってくださる方もいるんですが、一方で「そんな風に私が付き添っていて本当に良かったのか」と時々考えます。

それはなぜでしょうか?

練習が終わったあととかに「もっとこうしたほうがいい」みたいな口を出しちゃうんですよ。息子からしたら素人にいろいろ言われていやだったろうなと思いますね。

前にこのインタビューでも「子どもと共通の話題を作ること、時間を共有することが仲良くいるために大切」というようなことを仰っている方がいました。そうした時間を過ごしているようですので、親子仲は良いのではないかと思うのですがいかがでしょうか?

まあ暴言を浴びせられるようなことは一度もなかったですし、そんなに困ったこともありませんでしたね。家族や親戚との食事なんかも嫌がらずついて来てくれましたし。「今日はおばあちゃんと二人でごはん食べてきて」みたいなときも文句ひとつ言わずに。一人っ子ですし、我慢のできないわがままな子になってしまったかなと思うフシはありますが(笑)。

いやいや、ものすごくしっかりしたいいお子様じゃないですか。自立が近い時期かと思いますが、今後どのようになっていってほしいですか?

基本的なことですが、思いやりがあり、人のことを考えられる子になってほしいですね。あとは我慢強く、先が読める人になってもらえればと思います。

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