赤ちゃんがコロンと寝返りを打つ姿はかわいらしく、愛おしいですよね。
寝返りは、成長過程の大切なチェックポイントのひとつです。いつ頃、どうやってできるようになるのか、ママパパが気をつけてあげるべき点などを確認しておきましょう。

寝返りできた!って、どんな状態?

寝返りとは、仰向けの状態から体をひねってうつ伏せになることです。
仰向けで寝ている赤ちゃんが、左右どちらかへ体をひねり、腹ばいの体勢になることができたら、「寝返りができた」と言えます。

首すわり、腰すわりと段階を踏んで体の機能が発達していくことからもわかるように、赤ちゃんの運動機能は、頭側から足側に向けて、徐々に発達していきます。首や肩から、背中、さらに腰あたりまでを動かせるようになってくると、寝返りの準備は整ってきます。
家族の動きをキョロキョロと目で追ったり、首を横に向けたり、仰向けのままズリズリと移動したり…そんな動きが見られるようになったら、寝返りを打つ前兆です。

寝返りはいつ頃できるようになる?

結論から言うと、生後5~6ヶ月頃がひとつの目安です。
厚生労働省「平成22年乳幼児身体発育調査報告書」によると、生後4~5ヶ月で50%以上、6~7ヶ月になると90%以上が寝返りをできるようになると報告されています。
参照:厚生労働省 乳幼児身体発育調査

とはいえ、できるようになる時期は個人差が大きいのが実情。早い子は2ヶ月頃から、遅ければ9ヶ月頃と、かなり幅があります。
6ヶ月検診では寝返りの可否を確認されますが、その時にできなかったり、平均より遅いからといって心配は要りません。成長の進度には個人差があるので、焦らず、わが子のペースに合わせて見守りましょう。

寝返りしそうな時、手伝ってもいい?

動きが大きくなったり力強くなったりして、体をひねるような動きが見られるようになってきたら、まもなく寝返りデビューのサイン。いきなり上手にはできないため、横向きまで行ったのにまた仰向けに戻ってしまうとか、上半身はひねれているのにお尻から下がついてこないとか、「惜しい!」という場面がしばらく続きます。

急ぐことではないので、できるようになるまで見守ってかまいません。練習なども、特にする必要はありません。

もしどうしても補助をしてあげたい場合は、寝返りしようとしている方向から名前を呼ぶなど声をかけたり、好きなおもちゃを見せて興味を引いたりします。背中や腰にそっと手を添えて支えてあげるのもひとつの方法です。
また、寝返りしたあと腕が体の下に入ってしまって身動きが取れなくなっていたら、腕を抜くのを手伝ってあげましょう。

寝返りすると、いいことあるの?

仰向けで上しか見えない状態に比べ、うつ伏せで首を持ち上げた体勢になると、はるかに視野が広くなります。たくさんのものが目に飛び込んできて、好奇心が刺激され、脳や心の成長が一気に進みます。
上半身を持ち上げるため、腹筋や背筋、腕、首などの筋肉が鍛えられ、運動機能の発達も促されます。

成長とともに首がすわり、寝返りをするようになり、腰がすわってお座りができるようになる…というのが一般的な発達段階ですが、寝返りをすることで赤ちゃんが見る世界は一気に広がり、お座りできることでさらに広がります。知能や情緒といった面でも飛躍的に発達が期待されるタイミングです。寝返りしやすい広めのスペースで過ごさせ、成長をサポートしてあげましょう。

気をつけるべきことは?

うつ伏せの状態で顔を上げておくには腹筋や背筋、腕などの力が必要で、最初のうちは体勢を長い時間キープすることができません。顔が下がって、寝具などに鼻と口を押し付ける状態になると、窒息する恐れがあります。柔らかい寝具やクッションなどが下にあると、鼻や口に密着して完全に塞がれる可能性が高くなるため、程よい硬さの寝具を使い、柔らかいものを近くに置かないなど配慮が必要です。

転落事故が増えるのも、この時期です。
ベッドやソファなどに寝かせていると、寝返りをして落下する危険があります。寝返りをするようになったら、床にマットや布団を敷いて寝かせると安心です。ベッドに寝かせる際は、落下防止柵をしっかり上げておいてください。

また、寝返りが上手にできるようになると、視野も広がり、思った以上に移動できるようになります。赤ちゃんの手が届く場所に、口に入るサイズのものがあると、誤飲して喉に詰まったり器官を傷つけてしまったりする危険が生じます。床掃除を徹底し、小さなものが落ちていないか気を配りましょう。