赤ちゃんが泣き止まない!魔の3週目とは?
多くのママパパを悩ませ、苦しめる「魔の3週間目」。恐ろしげな名前ですが、誰もが通る赤ちゃんの成長過程のひとつです。どんな状態なのか、どう対処すれば良いのかなど確認していきましょう。
魔の3週目って、何?
お腹も空いていないし、おむつも濡れていない。これといって原因が思い当たらないのに、赤ちゃんが泣き止まない…。生後3週目頃に現れはじめる悩ましい状態を「魔の3週目」と言います。すべての子に起こるわけではなく、始まりや終わりの時期も個人差がありますが、一般的に生後2〜3週頃から始まることが多いため、そう呼ばれるようになりました。
出産のダメージと慣れない育児で疲れているママにとっては、自分の方が泣きたくなってしまう試練の時期かもしれません。少しでも負担が少なく過ごせるよう、まずは「魔の3週目」について知るところから始めましょう。
どんなことが起こる?
急に泣く回数と時間が増え、なかなか寝てくれないようになるのが「魔の3週目」の特徴です。「なぜ泣いているのかわからない」「何をしても泣き止まない」と途方に暮れるママパパも少なくありません。
この時期の赤ちゃんのいわゆる“ギャン泣き”は、夕方から夜にかけて起こることが多いため「黄昏泣き」と呼ばれることもあり、別名「コリック」と言います。深夜にかけて泣き続けて寝てくれないことも多く、ママパパを困らせます。
こうした状況は、1日3時間以上、週に3日以上、3週間以上続くと言われています。
何が原因なの?
まだはっきりした原因は解明されていませんが、成長とともに起こる変化によるものと考えられています。
たとえば、目や耳などの機能が発達するのに伴って音や光などの刺激に敏感になり、眠りづらくなったり、眠っていても目を覚ましやすくなったりすることがあるようです。また、急激に成長するため短期間のうちにより多くのミルクを必要とするようになり、これまで以上に頻繁に授乳しないと空腹を感じて泣いてしまうことも。腸内環境に変化が起こり、ガスが溜まって苦しいことが一因という説もあります。
泣いている理由を知るには?
まずは、お腹が空いていないか、オムツが汚れていないか、肌が擦れたり締め付けられたりして痛みが出ているところがないか、室温は適切か…といった基本的なところを確認してください。ゲップが十分に出せていなかったり、便秘気味になっていたりして、苦しくなっていることも考えられます。
それらをチェックした上で、原因がわからないギャン泣きであれば「魔の3週目」特有のものと思っていいでしょう。
原因不明のギャン泣き、どうすればいい?
基本的には普段のあやし方と同じで構いません。
おくるみで包んだり優しくぎゅっと抱きしめたりするほか、胎内にいる時の姿勢に近い横抱き抱っこをしてあげるのも安心感を与えられるのでおすすめです。抱っこして歩いたり、優しく背中をトントンしたりしてリズミカルな振動を与えるのも、赤ちゃんを落ち着かせる効果が期待できます。
おしゃぶりを吸わせることで落ち着くこともあります。
胎内の音に似ているというホワイトノイズが効果的だとも言われています。音楽やママパパの子守唄など、赤ちゃんによって好みが違うこともあるので、いろいろ試してみるのもいいかもしれません。
何をしても泣き止まない時は?
真っ赤な顔をして火がついたように泣いている赤ちゃんを見ると、痛いところでもあるのかと心配になりますが、赤ちゃんが泣くのは、当たり前です。
乳幼児突然死症候群(SIDS)には注意が必要ですが、転落や転倒の心配がない場所に寝かせて、少しの間泣かせておいても問題ありません。
念のため、嘔吐したり便に血が混じったりしていないか、脱臼などの関節トラブルが起こっていないかを確認しましょう。
避けなければいけないのは、イライラにまかせて赤ちゃんを強く揺さぶったり、口や鼻をふさいだりすること。命に関わる危険な行為です。絶対にしてはいけません。
パパママのケアも大切に!
見落としがちですが大切なのは、ママパパのケアです。
毎日のように何時間も泣き続ける赤ちゃんに、あれこれ対処しても効果がなければ精神的にも疲れが溜まっていきますし、自分たちの子育てが間違っているのではないか、うちの子は何かおかしいのではないか…など不安な気持ちも膨らんでいくかもしれません。睡眠不足も重なって、マイナス思考は加速しがち。
でも、魔の3週間は成長段階の一つで、親の接し方に関わらず起こるものなのです。
どうか、自分を責めて追い詰めないでください。辛い時は、ファミリーサポート、保健所や保健センターなどの公的機関を頼るのも一つの方法です。手伝ってもらうのはもちろん、話をするだけでも楽になるはずです。
コリックのピークは6〜8週頃。徐々におさまって、3〜4ヶ月で終わります。「あんなこともあったね」と笑える日まで、休憩や気分転換を取り入れながら乗り切ってください。