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アルバルク事業部 パートナー事業室 セールスグループ
先輩ママ・パパへのインタビューを通して「育児と仕事」をテーマに物語を紡いでいく特集『My BABY & Me』。
vol.08では、バスケットボールのプロリーグであるBリーグの発足以降2度の優勝のほか、FIBA ASIA Champions Cup 2019 で優勝を果たすなど華々しい戦果を記録するチーム「アルバルク東京」の運営会社であるトヨタアルバルク東京株式会社の大野晃さんが登場。
「プロチームの運営」という少し変わったお仕事についてお話をうかがいました。お仕事を通じて発せられる子育て世代への温かい眼差しがとても印象的でした。
初歩的な質問で申し訳ないのですが、「スポーツチームの運営会社」というのがあまりイメージがつきにくいなと思ってまして。収益をどうやって上げるビジネスモデルなのでしょうか。
いまの収益の構成は大きく分けると「試合のチケット売上」「スポンサーの協賛金」「グッズの売上」「ファンクラブの売上」といった感じですね。
大野さんの業務としては、どういったことをされているのでしょうか。
私は「パートナー事業部セールスグループ」という部署に所属しておりまして、いま言った4本の柱のうち、スポンサー営業が主な仕事です。一般的には「看板やユニフォームにロゴが載ります」というイメージかと思いますが、アルバルクでは「課題解決型のパートナーシップ」として、各企業様のニーズや課題に合わせて内容をカスタマイズしています。
例えば、子どもやその親御さんにリーチしたい企業様にキッズエリアのネーミングをご提案したり、選手入場のときに子どもたちが選手とハイタッチできるんですが、そのときのTシャツに企業名を入れていただいたりしています。最近では、クラブとして取り組んでいる社会的責任プロジェクト「ALVARK Will」の活動理念にご共感をいただき、地域課題や社会課題を共に解決していく企画も行っています。
会場内にアルバルクのマスコットキャラクターが入ったベビーカー置き場の案内があるのが印象的でした。これはアルバルク東京としての取り組みなのでしょうか。
そうですね。我々のクラブは「なんでもトップランナーを目指す」という精神なんですね。競技成績はもちろんですが、集客力も一番でありたいし、お越しいただいた方の満足度においてもそうです。その中で、お子様連れでご観戦いただく方にも、快適にそして楽しく観戦していただきたいという考えで運営を行っています。ベビーカー置き場には多い試合だと200台近くベビーカーが並ぶこともあります。試合ごとに場所を変えたりスタッフを増員したりしながら、少しでもストレスなくご観戦いただける環境を整備しています。
また、よりお子様連れでの観戦のハードルを下げるために、試合会場での託児サービスも始めています。
すごい! そういう「子連れ歓迎」というメッセージをチーム側が発信してくれること自体、小さいお子様がいるご家庭にはうれしいですよね。本当は観に行きたいのに「行ったら嫌がられるんじゃないか」と思ってなかなか踏み込めない方は多いと思います。
私自身、4歳の娘がいるのですが、子どもが生まれてからはスポーツ会場での観戦から足が遠のいてしまっていたので、小さいお子様といっしょでも気兼ねなく楽しめる環境が作れればとは思いますね。
「パートナー事業部」という立場で見た場合、ファミリー層が増えることをどのようにとらえていますか。
お子様といっしょに来てくれるようになると、子どもやその親にアピールしたい企業様が集まります。その結果、クオリティの高い子ども向けのコンテンツが会場に生まれ、会場もよりよくなる。そんないいサイクルが生まれます。読者の方々もぜひ一度会場にお越しいただければと思います!
なるほど。三者でwin-winの形が築けるんですね。働いている方への子育てへの配慮はいかがでしょうか。
私は別のクラブチームも経験しているのですが、アルバルク東京は、働きやすさの面でもスポーツ業界でトップレベルだと思います。私だけでなく、結構小さいお子さんのいる職員は多くて、子どもの体調不良などで急遽休まなければならない、といった場合にも周りで融通をつけてカバーし合うような環境です。
先ほどの話にもつながりますが、我々のクラブは何においてもトップランナーを目指す精神でやっているので、従業員の働きやすさにおいてもNo.1になれるよう各メンバーが意識して、リスペクトし合って働いているという感じです。
こういう業界だと土日の稼働があると思うのですが、お休みはどのような感じでしょうか。
土日に試合が入る場合は当然出ますが、代わりに月曜に休みをとって...という感じです。共働きで娘を保育園に通わせているので、試合の日は1日妻に負担をかけてしまいますが、その分振休のときは送り迎えをして...という感じですね。
あと試合で私が出勤する日は、会場まで二人で来てくれることもあります。
それはいいですね!
なかなか親の働く姿を見せられることもないと思うので、その点はよかったなと思っています。娘も最初こそ仕事中なのに「パパ、パパ」と寄ってきていたりしましたが、今では彼女なりに「仕事」というものを理解しているのか、遠くから手を振るくらいになって、成長を感じます(笑)。
続いて恒例の企画なのですが、お子様との思い出の品を見せていただいてよろしいでしょうか。
ルーク(編集注:アルバルク東京のマスコットキャラクター)がうちの子は大好きで(笑)。試合を観にきてくれるときにグッズを買いますし、家でもよく遊んでいます。女の子というのもあってぬいぐるみが大好きで。
こっちのクマは娘が生まれたときに大学の友人がくれたものですね。その友人の名前が「マサシ」というんですが、このぬいぐるみを僕が勝手に「マサシ」と名付けて読ん呼んでたら、娘も「マサシ」と呼ぶようになって(笑)。一緒に寝たり、赤ちゃんごっこをしてお世話して遊んでましたね。今では使い古してクタクタになりましたが(笑)。
娘さんには、ゆくゆくはスポーツをやってほしいですか?
まあ特にスポーツをどうしてもやってほしいということはないですね。習い事も体操教室や和太鼓などいろいろ体験教室で行ってみてはいるのですが、なかなか「やる」とはならないですね(笑)。何か本人が好きなものが見つかれば、と思っています。私自身、親にはいろいろ習い事をやらせてもらって、進路も自由にさせてもらったと感じていますので、娘にも自由に道を選んでほしいなと思います。
親御さんはどんなお仕事をされていたのでしょうか。
いわゆる町工場を経営していたのですが、「後を継げ」とかも言われませんでしたし、地元の京都を出て広島の大学に行くときも、大学院に進むときも、就職するときも口うるさく言われることはありませんでした。転職に失敗したこともあるんですが、そのときもじっと見守ってくれていましたね。今思うと感謝しかないです。
素敵な親御さんですね!
最後に今後の展望についてお聞かせください。
もうすぐ新しいアリーナができるのですが、そこの管理運営も弊社の仕事になります。なので会場の運営とプロチームの運営の2軸になっていく感じですね。会場だけではなく、屋外にもバスケットボールコートを設置したり、イベントができる広場を作ったりもするので、それらをどう活用していくかというのもやっていくことになります。今からすごく楽しみです。
そんなところまで! かなり壮大な話ですね。その中で大野さんがやりたいことはどのようなものでしょうか?
個人的な思いとしては子どもたちと親が集まる場にできればと思っています。試合前に子どもたちは子ども同士で遊べて、その間に親たちは子育ての悩みや情報交換をできて、最後にみんなでスポーツを観る交流会のような企画もできればと思っています。
皆が同じものを見て楽しめるというのはスポーツの強みだと思いますし、やはりスポーツにはハブになれる力がありますから。
また、アリーナが子どもたちにとって「憧れの場所」になれればと思います。スポーツ以外の音楽イベントなどもやるようになりますので、選手や歌手として「あの場所に立ちたい」と思うような場所にすることもそうですが、アリーナで働く人、施設運営に関わっていく人も憧れの職業になるようにしていければと思います。こういう「裏方」の仕事もどんどん発信していきたいですね。