備えが肝心!赤ちゃんがいる家庭の防災について考える
毎年どこかで何かしらの災害が起こる、近年の日本。赤ちゃんと一緒の被災、避難を考えると、大人だけの場合以上に心配や不安がふくらみますよね。
BABY&Me公式Instagramでは先日、防災士・わたなべえりかさんをお迎えして、コラボインスタライブを行い、防災に関するお悩み相談や東日本大震災での実体験などをお話しいただきました。わたなべさんに教えていただいたことをベースに、改めて防災について確認していきましょう。
防災って、どういうこと?
内閣府HP『防災情報のページ』によれば、日本は「台風、豪雨、豪雪、洪水、土砂災害、地震、津波、火山噴火などによる災害が発生しやすい国土」です。
防災とは、様々な災害が起こりやすい日本で暮らす私たちが、災害を未然に防止すること、また受ける被害を最小限にとどめるために備えることを指します。
自分はもちろん、赤ちゃんを含め家族の命を守るために、日頃から備えが必要なのです。
安全ってどういう状態のこと?
危険の反対語にあたる「安全」。そもそも、どういう状態を指すのでしょうか?
1つには、生命が脅かされたり、ケガをしたりするリスクが少ないことと言えるでしょう。病気感染の心配がない衛生的に管理された状態も含まれるかもしれません。
自分が暮らす家の中、また地域の危険な場所と安全な場所を知っておくことで、いざという時に慌てず避難することが可能になります。
地震の際には、建物の丈夫さが鍵を握ります。
建築基準法で定められた耐震基準に合致している建物は、一定の強さの地震に耐えられると証明されていることになるため、安心です。1981年5月31日を境に、法改正により「旧耐震」「新耐震」に分かれます。自分の家がどちらに当てはまるのか、確認しておくと良いでしょう。
家の中では、落ちてくるもの、倒れてくるもの、転がったり滑ったりして移動するもの、割れるものの4つが危険です。それらがない、あるいは転倒防止やガラスの飛散防止など対策をしてあれば安全な環境と言えます。
地域の危険については、自治体などが公開しているハザードマップが参考になります。
災害に関して言うと、種類も規模も周辺環境も様々なので、「こうすれば安全」という絶対的なマニュアルは、残念ながら存在しません。正解が1つではないのです。色々な状況を想定し、自分に合った安全を見つけていく必要があります。
まず大事なことは?
大事なことは、自分の住む地域ではどんな災害が起きる可能性があるのかを知ること。そして普段から防災を意識することが大切です。
▼防災士・わたなべえりかさん監修「普段から意識しておきたいこと」
ハザードマップって何?
ハザードマップとは、災害が起きた時に危険と思われる場所や避難場所などを示した地図です。地震や津波、水害、土砂災害など、自然災害の種類ごとに危険な場所は変わるため、それぞれのマップを確認する必要があります。
危険度に応じて色分けされているため、自分が暮らす地域はどんな場合に危険が迫りやすいかを知り、避難を検討する目安になります。
ただマップを見るだけでなく、実際に近所を歩いて、災害時にどのような変化が起こりそうかを想像しながら危険度チェックをしたり、安全な避難場所や避難ルートを確認したりしておくと安心です。
家で被災するとは限らない
災害は、いつ起こるかわかりません。 自宅以外の場所で被災する可能性もあるのです。 ハザードマップや、目視での危険&安全な場所のチェックは、自宅だけでなく職場やよく訪れる場所の周りでもしっかり行っておきましょう。外出先で災害が起こった際にどのように帰宅するかもシミュレーションしておくことをお勧めします。赤ちゃんをどう守る?
水害や土砂災害は、その原因となる大雨などから災害発生までに比較的時間があるため、赤ちゃんと一緒に避難するなど対策が講じやすいですが、地震は前触れもなく瞬間的に起こります。
揺れが大きいと思うように身動きができず、同じ部屋の中にいても赤ちゃんの元へ行くことすらできない可能性があります。揺れがおさまるまで待って赤ちゃんのところへ向かいましょう。そのタイムラグの間も安全を確保すべく、赤ちゃんの上に物が落ちたり倒れたりしないよう日頃から家具等の配置に注意し、電灯や窓の下に寝かさないようにすることが大切です。
赤ちゃんを守れるポーズがあるって本当?
地震の際、赤ちゃんとママパパが一緒なら、命を守る「だんごむしポーズ」で赤ちゃんを守ります。
ママパパは正座をして膝を開き、赤ちゃんの肩や手足がママパパの太ももの間に収まるようにして上から覆い被さります。物が落ちたり倒れてきたりした場合に備えて、ママパパは自分の後頭部を両手で守ってください。
だんごむしポーズの目的は、あくまで頭を守ること。まず安全な場所で身を守ることが大切です。
避難はどうする?
災害の種類や度合いによって、避難所等へ避難するべきか、自宅の中で在宅避難にするか判断します。赤ちゃんがいる場合、避難所では不便なことも多いため、自宅の安全が確認できるようなら自宅避難が良いかもしれません。
地震の場合は、自宅の耐震基準も一つの判断基準になります。
『普段から意識しておきたいこと』にあったように、4つの危険(落ちてくるもの・倒れてくるもの・移動してくるもの・割れるもの)を避けられる場所を、家の中に1部屋だけでも用意しておくと、一時避難をする場合も、在宅避難でしばらく過ごす場合も役立ちます。
◆赤ちゃんを連れた避難のポイント
歩ける年齢のお子さまでも、災害時の非難は足元が不安定な場合が多いので、抱っこやおんぶが安全です。抱っこ紐を使用し、大人が両手を使えるようにしておくことが大切です。
避難の際には、視界が広くとれて機動力が上がるおんぶが良いとされています。
備蓄のコツは?
災害時は、食料や水、生活用品などが十分に入手できない期間が続く可能性があります。在宅避難の場合は、ガスや電気が止まってもカセットコンロを使って調理できるため、普段の食材をローリングストックすることで対応できます。家以外の場所へ避難する場合は、持ち運びに適した軽量で火を使わずに食べられるものが便利です。
また、普段から馴染みのある食材であることも避難所での「ストレス緩和」に繋がります。
非常食をストックしておくだけでなく、日常から試食をしておく、お気に入りのおやつ等をストックしておくなどもオススメです。
赤ちゃん用のミルクや離乳食、おむつなども十分に用意しておくことが必要です。普段からローリングストックしておくと良いでしょう。