日々少しずつ成長していく赤ちゃん。数ヶ月もすると「首すわり」の時期を迎えます。
首がすわるとはどういう状態を指し、いつ頃起こるものなのでしょうか。うちの子はもう首がすわっているの?と気になったら、どうやって確認したらいいのかもご紹介します。

首がすわっているか、どうしたらわかる?

生まれてすぐの赤ちゃんは、筋肉や骨格が未発達のため、重たい頭を自分で支えることができません。抱っこするときなどは手を添えて支えてあげないと、頭がグラグラしてしまいます。

成長とともに首がしっかりしてきて、赤ちゃんが自分で頭をまっすぐ保ったり、自由に動かしたりできるようになることを「首がすわる」と言います。
首がすわる時期は、個人差がありますが、生後3~5ヶ月が一般的です。

首がすわっているかを見極めるチェック方法は、いくつかあります。

健診などでよく使われるのは、「引き起こし」という確認法です。
赤ちゃんを仰向けで寝かせ、両脇の下に手を差し込んで上体をゆっくり起こします。上半身を45度くらいまで引き起こしたとき、頭も一緒についてきていれば、首がすわっていると考えられます。90度まで体を起こしたときに首が前に倒れず、前を向いたままでいられるかもチェックポイントとなります。

インターネット上の情報などには「腕を引いて起こす」という表現がよく見られますが、赤ちゃんの手首や腕を持って引っ張ると、肘や肩などの関節が外れる危険があるためお勧めできません。脇を持って引き起こすようにしましょう。

 

他には、うつ伏せの状態で頭を持ち上げられるか、自分で首を動かして頭の向きを変えられるかなども、首がすわっているかを見極めるポイントです。

首がどのくらいしっかりしているか確かめたいからと、赤ちゃんの体を揺さぶったりするのは厳禁です。頭が急激に大きく揺れると首や脳を損傷する恐れがあるので、絶対に避けてください。

首がすわるまでのステップは?

日々成長し、少しずついろいろなことができるようになっていく赤ちゃんですが、首すわりも、数週間から数ヶ月をかけてじわじわと進んでいきます。

早い子は、2ヶ月頃になると、うつ伏せにしたら頭を持ち上げたり、縦抱きをした際に首が安定している様子が見られたりしはじめます。少しずつ首すわりが始まっているしるしです。
体の発達に加えて情操面での成長も進んでくると、顔の向きを自分で変えて、見たい方に顔を向けるようになってきます。

3~4ヶ月になると、持ち上げた頭をそのままキープしたり、縦抱き抱っこ中に支えがなくても頭をまっすぐ保てたりする時間が長くなってきます。
うつ伏せで、頭を持ち上げたまま自由に動かせるようになれば首すわりが完了していると考えられます。
多くの場合、生後3~5ヶ月の間には首がすわりますが、発育・発達のスピードには個人差があるため、必ずしも周りの子と足並みが揃っていなくても過度に心配する必要はありません。

自治体が行う3、4ヶ月健診では、首すわりがどれくらい進んでいるかを含めて、赤ちゃんの発達や発育を確認します。発達が著しく進む変化の大きい時期なので、積極的に受診することをお勧めします。

首すわりの練習は必要?

首すわりは体の発育に伴って自然に進むものなので練習する必要はありませんが、楽しみながらできる練習なら、日々のコミュニケーションの一環として取り入れてみるのも良いでしょう。

おすすめは、うつ伏せ遊びです。
うつ伏せには、首や肩、背中、腕や脚の筋力を鍛えるメリットがあり、寝返りやハイハイなどの準備にもなります。
ただし、あまり長時間だと体に負担がかかるため、短時間から徐々に伸ばしてみてください。最初のうちは10秒程度から始めて、2~3ヶ月と月齢が低いうちは1回1~2分に留めましょう。自分で寝返りを打てるようになるまでは、長くても3~5分が限度です。

大切なのは、必ず赤ちゃんが起きているときに行うことと、目を離さないこと。呼吸がしづらくて苦しそうにしていないか、様子を見ていてあげましょう。特に首すわり前は、顔が寝具や床に押し付けられて窒息などの心配があるため、十分に注意してください。

他に良い練習方法はある?

体を起こした状態にさせることも筋肉を刺激するため、縦抱きが首すわりの練習になるとも言われています。もちろん、まだ首がすわっていないので、手を添えて頭を支えてあげることは忘れずに。

座った状態で抱っこをして、赤ちゃんの体を傾ける練習方法もあります。
まずママパパが椅子などに座り、膝の上に赤ちゃんを座らせるようにして抱っこします。ママパパと赤ちゃんの体の間にこぶし1~2つ分くらいの隙間ができるようにして、お互いが同じ方を向くよう前向きに抱っこしてください。
赤ちゃんの体を片手で支え、もう片方の手を膝裏に入れたらゆっくり膝を持ち上げて上体を後傾させます。首がすわっていないと頭がカクンと後ろに倒れますが、徐々に筋肉や神経が発達してくると、首や背中の筋肉に力を込めて、自分で頭を支えようとするようになってきます。
それが首すわりの練習になるわけですが、無理は禁物です。

逆に、軽く前傾させる練習も可能ですが、ママパパの体がストッパーになって大きく頭が揺れたり体ごと倒れたりする心配がない後傾と違い、前は支えがないため注意が必要です。
首すわりは、早ければ良いというものでもなく、まわりの子や平均値と比べて焦る必要もありません。くれぐれも、赤ちゃんに無理をさせたり、危険を伴う練習や確認動作を行ったりしないようにしてください。

首すわりが遅い場合はどうすれば良い?

厚生労働省の乳幼児身体発育調査(平成22年)によれば、生後3ヶ月までに首がすわる子は全体の11.7%ですが、4ヶ月までには63%と半数以上となり、93.8%の子が5ヶ月までには完了します。
このデータは「両手を持って引き起こしたとき、首が遅れないでついてくるか」を調べたもので、遅れた場合は再検し、それでも遅れたら「できない」とするという基準で集計されています。

こうした調査結果を受けて、生後5ヶ月を過ぎるとほとんどの赤ちゃんは首がすわる、というのが通説となっているわけです。
その時期を過ぎても首がすわっていないとママパパは心配になるかもしれませんが、早産だった子や頭が大きい子は時期が遅くなりがちというデータもあり、筋肉の緊張が弱い子は、ふにゃふにゃしているように見えてじつは発達は進んでいて首もすわっていたというケースもあります。
全く力が入っている様子がないのか、少しは支えられる時間があるのかなど、どの程度まで首すわりが進んでいるのか、まずはしっかり確認しましょう。

仰向けから上半身を引き起こしたらだらりと頭が後ろに下がる、上体を垂直に起こしたら頭が前へガクッと倒れる、うつ伏せにしてもまったく顎を上げられないなど、首にまったく力が入っていないようであれば、小児科で一度チェックしてもらってみてもいいかもしれません。
一度できるようになったのにできなくなったという場合も、詳しく検査する必要があるかもしれないので、医師に相談してみてください。

首すわり前に気をつけるべきことは?

首がすわるということは、首まわりの筋肉や骨格、神経が発達することを指しています。
裏を返せば、首すわり前はそれらの発達が不十分であるということです。
まだ赤ちゃんには自分の頭を支えられるだけの力がないため、抱き上げる際などは、しっかり首や頭に手を添えてサポートしてあげる必要があります。

小さな赤ちゃんでも頭は重たいため、手を添えずに抱き上げると首に大きな負担がかかったり、頭蓋骨の中で脳が揺れたりして、頚椎や脳などを損傷してしまう恐れがあります。
また、縦抱きをしたとき、顎が下がった状態が続くと気道が狭まって呼吸がうまくできなくなり、酸素が不足してしまいかねません。脳に十分な酸素が送られない状態が長時間続くと、脳障害が起こります。

生後間もない新生児や、首すわり前の赤ちゃんは、体をほぼ水平にした横抱きが基本。もちろん横抱きでも、首まわりのサポートは大切です。抱っこするママパパは両腕で輪っかを作り、赤ちゃんの後頭部と膝裏の下に両肘がくるようにしてしっかり支えます。

首がすわると縦抱きも不安なくできるようになりますが、首がすわったと判断されても、まだ赤ちゃんの体は発達途上です。いきなり長時間にわたって自分で頭を支える状態が続くと、頑張りすぎて体がこわばり、疲れてしまいます。必要に応じて、赤ちゃんが休めるよう補助をしてあげるようにしましょう。

首すわり前から抱っこ紐は使える?

お出かけの際や、寝かしつけをしながら家事をする際など、抱っこ紐が使えると便利な場面は多々あります。首すわり前から抱っこ紐を使っても良いのか、気になりますよね。

首すわり前に抱っこ紐を使用する場合は、 スリングなどのような横抱きに適した抱っこ紐か、首や頭を守れるよう配慮され、首すわり前から使用可能であることが明記された製品を選ぶ必要があります。

BABY&MeのBELK-S firstセットは、赤ちゃんの頭を優しく包み込むヘッドサポートが首まわりをしっかり支えるため、首すわり前でも対面抱っこが可能です。

また、赤ちゃんの成長やライフスタイルに合わせてパーツを切り替えることができ、腰ベルトタイプの抱っこ紐としても、ヒップシートキャリアとしても使用できます。

ヒップシートは単体でも使えるため、新生児期の授乳や寝かしつけから、歩き始めたあとのちょい抱きまで、ずっと活躍してくれます。買い足しや買い替えなしで長く使えるためコスパもよく、おすすめです。