妊娠中に温泉はNG?適切に入ればメリットも!
妊娠中は温泉に入ってはいけない、という説を聞いたことがある方もいるかもしれません。でも実際そんなことはなく、温泉に入ることによってもたらされるメリットもたくさんあります。どんな良いことがあるのか、注意するべき点も併せて確認していきましょう。
妊娠中に温泉は入ってもいい?
かつて、妊婦が温泉に入るのはタブーとされ、法律で禁じられていた時代もありましたが、医学的な根拠はなく、現在は妊娠中も温泉に入って問題ないとされています。
自宅の湯船に浸かるのも、もちろんOK。お気に入りの入浴剤を使うのも、大丈夫です。
妊娠中のママの体は普段とは異なる点も多いため、いくつか注意点はありますが、必要以上に怖がる必要はありません。安全に気を配りながらお風呂ライフを楽しみましょう。
温泉がダメな時期もある?
つわりがある間は体調不良のせいで温泉どころではないかもしれませんが、可否で言えば、初期・中期・後期に関わらず、温泉に入ること自体は問題ありません。
一点、注意が必要なのは旅行先選びです。妊婦さんは体調が変化しやすいため、異変があった時すぐ対応できるように、かかりつけの病院から離れた場所への旅行は控えると無難です。体調が特に不安定な妊娠初期、急に陣痛が始まるかもしれない臨月などは、念のため病院で相談してから温泉旅行を計画すると安心です。
妊婦さんが温泉に入るメリットは?
温泉の効能といえば、一番に挙げられるのはリラックス効果でしょう。じんわり温められることとほどよい水圧で心身の緊張がほぐれ、ホルモンバランスの変化などで不安定になりがちな精神状態も落ちつくことが期待できます。
また、運動量が減って血行が悪くなることが多い妊婦さんの血行改善に役立ったり、末端まで血が巡り、手足が温まって寝つきが良くなったりする効果も。お腹が重くなってくるにつれ腰痛に悩まされる妊婦さんも多いですが、温浴効果で痛みが軽減されることもあります。
適切な入浴方法は?
温度が高すぎたり低すぎたりするお湯は血圧の上昇につながり、体に負担がかかってしまいます。適温は、38〜41度程度。42度以上の熱いお風呂や、30度以下の冷たい水風呂などは避けましょう。
適温のお湯であっても、長風呂は厳禁です。妊娠中はのぼせやすいうえ、ママの深部体温が上がると赤ちゃんにも影響が生じる可能性があります。1回の入浴時間は10分程度を上限に、1日2回までに留めてください。
サウナはOK?
熱いサウナは血圧が急上昇し、立ちくらみによる転倒のリスクが高まるほか、母体の体温が上がることで赤ちゃんへの影響も心配されます。発汗が促されて脱水状態になり、血栓などの危険も増すため妊娠中は避けるべきです。
サウナの後の水風呂や寒い時期の露天風呂も温度差が大きく、血圧の急激な変化などが体に負担となるので控えてください。
入浴前に必要な準備は?
入浴前にコップ1杯の水を飲むことをお勧めします。
妊娠中は、多量の出血を伴う出産に備えて血液が固まりやすい状態になっています。汗をかくなどして体内の水分量が減ると、血液がドロドロになって血栓ができる可能性がより高まるため、そうなる前に水分を補っておく必要があるのです。入浴中や入浴後も、適宜こまめに水分補給をすると安心です。
食事も済ませてからの方がいい?
空腹時の入浴は良くありませんが、食事の直後も避けるべきです。
食事の直後に入浴すると、胃に集まるべき血液が全身に拡散してしまうせいで消化不良となり、気分が悪くなる恐れがあります。入浴は、食後30〜60分ほど経ってからにしてください。一方、空腹時は立ちくらみがしやすいため、何か消化のいいものを少量お腹に入れてから入ります。
入浴中に気をつけるべきことは?
浴室や脱衣所で最も注意が必要なのは、転倒です。
もともと妊婦さんは脳貧血やめまいを起こしやすいうえ、入浴によって血圧が変動することで立ちくらみの危険性が高まります。また、お腹が大きく重くなると足元が見えづらくなり、バランスも崩れやすくなります。泉質によっては床が滑りやすいこともあるので、手すりや壁などを支えにしながらゆっくり動くことを心がけましょう。
その他、注意点は?
妊娠中は、いつ急な体調変化が起こるかわかりません。具合が悪くなったり倒れてしまったりした場合、1人では身動きが取れなくなる可能性があります。万が一の時もサポートしてくれる誰かと一緒に入浴するのが安心です。夫婦2人での温泉旅行は、男女別の大浴場に行く際などは1人になってしまうので、家族風呂を利用するなど工夫が必要です。
また、急な体調変化に備えて、遠出はしないことも大事なポイントです。目安としては、片道2時間程度までの場所を選ぶことをお勧めします。
注意点をしっかり押さえて、温泉で心身をリフレッシュさせながら赤ちゃんの誕生に備えましょう。