赤ちゃんのお風呂の入れ方 沐浴(もくよく)~一緒に入る時
赤ちゃんのお世話の中で、苦戦したという先輩ママパパが多いのがお風呂です。慣れるまでは難しく感じることもあるかもしれませんが、皮膚トラブルなどを発見できる機会でもあり、大切なスキンシップの時間でもあります。手順や段取りを覚えて、楽しいお風呂タイムにしましょう。
新生児は、どうやってお風呂に入れる?
生後28日までの赤ちゃんを新生児と言いますが、新生児の間は細菌感染などを避けるため、大人と同じお風呂ではなく専用のベビーバスなどを使って「沐浴(もくよく)」をさせます
お湯の温度は、ぬるめの38度くらいがベスト。皮膚が薄くてデリケートなので、石鹸やボディソープなどは、必ず赤ちゃんもOKと明記されたものを使用します。
場所は、必ずしもお風呂場でなくてもかまいません。防水シートを敷いて、ダイニングテーブルの上やリビングで沐浴させたという先輩ママパパもいます。ベビーバスを置けるスペースがあれば、キッチンシンクでもOKです。赤ちゃんが寒くなく、ママパパの体勢に負担が少ない場所を選んでください。
赤ちゃんは新陳代謝が活発で、汗や皮脂も多いため、毎日お風呂に入れるのが基本。なるべく同じ時間帯に入れられると理想的です。1回の所要時間は10分程度を目安に、手早く済ませましょう。
赤ちゃんのお風呂の手順は?
まずは、上がった後の準備から始めます。
湯冷めさせないため、肌着やベビー服はボタンや紐をはずして広げ、すぐに着られるよう重ねて置いておきます。おむつもお忘れなく。着替えをセットしたら、体を拭くタオルもその上に置きましょう。
首に手を添えてしっかり支え、もう片方の手でおしりを支えながら足先からゆっくりお湯に浸けます。お湯に浸かっていない肩周りにはお湯を手ですくってかけてあげてください。頭も濡らして、泡立てた洗浄剤を乗せて頭、顔の順にやさしく洗っていきます。首や脇、肘・膝など曲がっている部分は、しわを広げるようにして丁寧に洗ってあげましょう。肌をこすったりせず、なでるようにそっと洗うのがコツです。
皮膚トラブルがないかなど確認しながら全身を丁寧に洗ったら、最後は洗面器などに汲んでおいたお湯やシャワーで泡を流して完了です。
広げておいたバスタオルの上に赤ちゃんを乗せ、タオルでやさしく押さえるようにして水気を取ります。ゴシゴシこすらないように気をつけましょう。
お風呂上がりには保湿も大事。服を着せる前に、ベビーローションなどの保湿剤を十分に塗ってあげてください。
インターネット上にはわかりやすい解説動画がたくさん公開されています。参考にすると良いかもしれません。
一緒に入る時の段取りは?
1ヶ月健診でOKが出たら、沐浴を卒業してママパパと同じお風呂に入れるようになります。
一緒に入る場合、服の脱ぎ着やケアなどをする係と、お風呂に入れる係を分担できると良いのですが、1人で全部するには段取りとコツが必要です。
まずは赤ちゃんを裸にさせて脱衣所などで待機させ、ママパパの髪や体を洗います。待たせておく場所の温度や安全などを事前にしっかり確認しましょう。上がった後の着替えやタオルの準備は、沐浴のときと同様です。
ママパパが済んだら、赤ちゃんを膝の上に抱っこするか、赤ちゃん用のお風呂マットなどに寝かせて洗います。湯船で温まるときは、抱っこするか膝の上に乗せ、顔がお湯に浸からないように気をつけます。
お互いの体が濡れているうえ、せっけんなどを扱っているため、通常よりも転倒や転落の危険が高まります。赤ちゃんが急に動いたり、嫌がって暴れたりすることがあるので、十分に注意してください。また、泣いて口を大きく開けた際などにお湯やせっけんの泡などが口に入ってしまわないよう気を配ることも大事です。
上がったら、赤ちゃんは用意しておいたバスタオルに包んで待たせ、先にママパパが着替えを済ませます。その後、赤ちゃんの体を拭いてスキンケアをしてから、服を着せます。
上の子も一緒に入る場合は、どうする?
子どもが2人いる場合、洗う順番は上の子が最初で次がママパパ、赤ちゃんは最後です。赤ちゃんを脱衣所等で待たせている間は、こまめに声をかけて近くにいることを知らせ、安心させてあげるようにしましょう。
上がる時は、ママパパと赤ちゃんだけ先に上がって、上の子はお風呂で待たせます。飽きさせないようおもちゃなどを用意し、転倒や溺水などの危険を避けるため声掛けと目配りを忘れないようにしてください。
ママパパの着替えのあと赤ちゃんの体を拭いたら、上の子を上がらせて体を拭きます。子どもたちの体に保湿用のローションやクリームなどを塗って、着替えをさせたら完了です。
※上記の手順は上の子が湯船の中で自由に歩き回れる程度の年齢(2歳半頃~3歳以上)を想定しています。
気をつけるべきことがある?
お風呂は、授乳直後や空腹時は避けて、機嫌のいい時に入れるようにします。毎日同じ時間帯に入れられるのが理想ですが、ぐずっていたり眠かったりすると、嫌がって暴れるなど思わぬ危険につながることもあるので無理は禁物です。その場合は時間にこだわり過ぎず、赤ちゃんのご機嫌優先で時間をずらしても構いません。
首や関節のしわは、汚れがたまりやすいのできちんと洗うことも大事ですが、泡が残らないよう丁寧に流すこともとても大切です。お風呂上がりは、水気をしっかり取ってから保湿をしてあげてください。
入浴中は汗をかくので、脱水状態にならないよう、上がった後は水分補給を忘れずに。月齢に応じてミルクや麦茶などを早めに飲ませるようにしましょう。