1日のほとんどを寝て過ごす赤ちゃんですが、「なかなか寝ない」「寝てもすぐ起きちゃう」「こんなに寝なくて大丈夫?」など、寝ない新生児に手こずったり心配したりするママパパは、じつは少なくありません。新生児はなぜ寝ないのか、そんなときはどうすれば良いのか紹介します。

新生児ってずっと寝ているものじゃないの?

新生児、つまり生後28日までの赤ちゃんは、1日に約15〜20時間も寝ます。まさに1日ずっと寝ているようなイメージですが、実際は2〜3時間ごとに起きて、小刻みに眠るのが普通です。寝て欲しい時に寝てくれず「なかなか寝ない」「寝かしつけが大変」と悩むママパパも少なくありません。

抱っこしてやっと寝かしつけたのに、ベッドに下ろしたら目を覚ましてしまう、ということも起こりがち。

1日のほとんどを寝て過ごすはずの赤ちゃんが寝ないと心配になったり、早く寝かせたくて焦ったりするかもしれませんが、新生児が寝なかったり、寝てもすぐ起きてしまったりするのはよくあること。必要以上に悩まなくても大丈夫です。

不快感や刺激のせいで寝ないこともある?

赤ちゃんが寝ないのは、なぜでしょうか。

考えられる理由は、いくつかあります。

例えば、おむつが汚れていたり、お腹が空いていたりと、不快感や不満がある場合。あるいは、おむつや衣服などのキツさ、肌触りが嫌な場合もあるでしょう。
抱っこされていると寝るのに寝かせたとたんに起きてしまうのは、体勢が変わったことや、少しひんやりする布団に触れたことでビックリして目を覚ましてしまうためです。

また、気になる音がする、明るすぎる、暑すぎる寒すぎるなど、環境に問題がある可能性もあります。突然の大きな音で驚いて目を覚ましてしまうことも。ママのお腹から外へ出てきたばかりでさまざまな刺激に対する免疫ができていないため、適応するまでには少し時間がかかります。

新生児が寝ないのは、当たり前?

不快感や外的要因以外に、そういう成長段階だから、という避けようのない理由もあります。

時間帯に関係なく細切れに寝たり起きたりを繰り返すのは、新生児の特徴のひとつです。昼間は起きていて夜に寝るというリズムができてくるのは、生後3ヶ月を過ぎる頃から。それまでは、ママパパは夜間に何度も起きてお世話をしなければならず、睡眠不足に悩まされます。成長の過程なので、期間限定と思ってなるべくゆったりとした気持ちで乗り切るようにしましょう。

また、短時間しか眠らなかったり、ちょっとした刺激で目を覚ましたりしてしまうのは、新生児の眠りが浅いことも原因のひとつです。
大人もレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返しながら眠りますが、赤ちゃんはレム睡眠の時間が大人の2倍、睡眠時間の半分程度と言われています。レム睡眠は、体は休んでいるものの脳は活発に働いている状態。いわゆる「眠りが浅い」状態なので、眠っていてもすぐに目を覚ましてしまうのです。

眠り方がまだわからなくて、眠いのに寝られず、泣いてしまう赤ちゃんもいるようです。可哀想ですが、毎日いろいろなことを学び成長していくのが赤ちゃん。眠りやすい環境を整えて、見守ってあげましょう。

新生児が寝ない時はどうしたらいい?

まずは授乳する、おむつを替えるなど、不快にさせている原因を取り除いてあげることが最優先です。

おむつもキレイで、授乳したのに寝てくれない…。そんなことも、多々あります。
もしミルクの量が足りないようなら、追加で飲ませるのもOK。一方で、ゲップがしっかりできていなくてお腹が張って苦しい場合もあるので、赤ちゃんの様子をきちんと観察して対応してあげましょう。

暗くて静かな場所に寝かせることも大切です。室温は、夏なら26〜28度、冬は20〜23度くらいが赤ちゃんにとって適温です。

思い当たる原因をすべて取り除いてもぐずっている場合は、体調が悪い可能性もあります。まずは鼻詰まりや皮膚炎などがないかチェックしてみます。問題点が見つからず、あまり長引いて赤ちゃんもママパパも睡眠不足になるようなら、かかりつけ医に相談してみても良いかもしれません。

新生児を寝かせる際に気をつけることは?

前述の通り、新生児がすぐ起きてしまったり、なかなか寝ないことがあったりするのは当たり前のことで、心配する必要はないことがほとんどです。

気をつけなければいけないのは、窒息につながる危険要素は取り除いておくこと。寝具などで鼻や口がふさがれることがないよう注意しましょう。

また、それまで元気だった赤ちゃんが眠っている間に突然死亡してしまう「乳幼児突然死症候群(SIDS)はまだ原因が解明されていませんが、うつぶせに寝かせた場合、より発症率が高くなると調査でわかっています。医学上の理由でうつ伏せ寝を勧められている場合以外は仰向けに寝かせてください。仰向け寝は、窒息事故の予防にもつながります。