内閣府によると、初婚どうしの夫婦(結婚持続期間15〜19年)が持つ子どもの数の平均「完結出生児数」は、1972年の2.2人から50年にわたりほぼ横ばい状態が続いています。2010年以降は2人を切って1.9人台まで下がりましたが、引き続き2人前後の子どもを育てる家庭が多いということは変わりません(※)。

2人目の妊娠中や、出産して子供が2人になったとき、抱っこやおんぶはどうしたらいいのか、不安を抱える人も多いのではないでしょうか。
経験者である先輩ママの話も交えつつ、注意すべき点などを確認していきましょう。

(※出典:内閣府ホームページ

妊娠中も上の子を抱っこできる?

妊娠初期は特に、重いものを持つと切迫流産や流産につながる危険があります。上の子の体重にもよりますが、抱き上げるときには大きな力が必要で、お腹に負荷がかかるため、抱っこはできるだけ避けたいところです。
とはいえ、抱っこはママと子どもの大切なスキンシップやコミュニケーション。座った状態で膝の上に乗せハグをするなどして、配慮しましょう。

お腹が目立ちはじめる中期は、腰が反り気味になってきます。初期に比べて切迫流産などの危険性は下がりますが、腰への負担は大きくなるため、上の子を抱っこする際には無理のない範囲にとどめることをお勧めします。
最もお腹や腰に負担がかかるのは、抱き上げたり、下ろしたりするとき。パパやおじいちゃん・おばあちゃんが近くにいるときは、抱き下ろしをお願いして、ママは屈まない状態で抱っこしたり、バトンタッチしたりできるようにすると、負担が軽減できます。

妊娠後期になると、さらにお腹が大きくせり出してくるため、抱っこがしづらくなります。お腹が張りやすくなる時期でもあるので無理は禁物です。妊娠初期同様、座った状態で抱っこをしてスキンシップの機会を増やし、抱き上げて歩いたりすることは控えめにすると良いでしょう。

妊娠中も、抱っこ紐を使える?

妊娠中と言っても、初期から後期にかけてママの体も赤ちゃんの状態もどんどん変化していくため、抱っこ紐を使うことがOKかNGかを一概に断定することはできません。
また、上の子の年齢や体重によっても負担の大きさが異なるため、それを加味して検討することが必要です。

妊娠中に避けたいのは、重いものを持つことと、お腹を圧迫すること。
肩や腰などに子どもの重さが分散され、抱っこの負担を軽減できることが魅力の抱っこ紐ですが、抱き下ろしの際、瞬間的に大きなが負荷がかかることは避けられず、腰ベルトやヒップシートでお腹を圧迫してしまうというデメリットもあります。

裏を返せば、抱き下ろしをサポートしてくれる人がいて、お腹を締め付ける構造ではない簡易的な抱っこ紐であれば使用可能とも言えます。上の子を連れて外出したり、家事をこなしたりする際には、やはり抱っこ紐が使えると便利です。
ただし、不適切な使い方をすると母体に負担がかかるだけでなく、赤ちゃんに危険が及ぶ場合もあるため、医師に相談のうえで使用してください。

同時抱っこニーズにどう対応する?

出産後は、2人同時に抱っこしなければいけない場面も出てくるでしょう。下の子が生まれると上の子が「赤ちゃん返り」をしてママに甘えてくるケースも多く、それまで以上に抱っこをせがまれるという話もよく聞かれます。

先輩ママ・パパにリサーチすると、左右の腕で1人ずつ抱っこするという猛者もいれば、上の子をおんぶ紐や多機能抱っこ紐でおんぶして、下の子を抱っこしたという人も。
皆さん試行錯誤の中で自分に合った方法を見つけているようですが、いずれの場合も、下の子を抱っこする際は、成長度合いによって配慮が必要です。
生後間もない新生児は、骨格も筋肉も未発達なため、首や背中などをしっかり支えてあげないと、思わぬ怪我をしてしまう恐れがあります。体を横に寝せた状態の「横抱き」を基本にしましょう。

ワンオペ育児を頑張っているママは、新生児も連れて上の子と一緒に外出しなければいけない機会もあるでしょう。その場合は、横抱き用の抱っこ紐を準備することをお勧めします。
赤ちゃんが自分で頭を支えられるようになる(首がすわる)までは、縦抱き抱っこには十分な注意が必要です。首回りをサポートする機能が備わった、新生児にも使える縦抱き用の抱っこ紐も販売されていますが、すべての抱っこ紐がそうではありません。使用前に、必ず対象月齢や首すわり前にも対応しているかを確認してください。
1人ずつ交互に抱っこする際は、抱き下ろしが簡単で横抱きもできる、ヒップシートがおすすめです。

ヒップシートは横抱きの補助にも抱っこにも使える

また、おんぶ+抱っこの二刀流に挑戦する際は、専用の抱っこ紐を使用し、留め具などが子どもの体や肌に当たって怪我などさせないように気をつけましょう。

双子の抱っこはどうする?

2人の赤ちゃんを同時に迎える双子の場合、当然、お世話の手間は常に2人分です。
授乳やオムツ替えなどは順番に1人ずつ対応することができ、外出時もベビーカーを使えば問題なさそうですが、双子用ベビーカーは幅広なため通れない場所もあり、2人同時にぐずりだすこともあるでしょう。そういう時は、2人同時に抱っこしなければいけなくなります。

双子専用の抱っこ紐も、販売されてはいます。
形状は、前で2人とも抱っこするタイプと、前後に1人ずつ抱っこ・おんぶするタイプ。種類は多くなく、取扱店も限られているため入手はなかなか困難ですが、ワンオペで双子を育てるママにとっては必需品のようです。
一方、祖父母やパパのサポートが十分に得られる場合などは、「双子専用のものはとくに必要なかった」という声も聞かれます。

BABY&Me の抱っこ紐は双子に使える?

一般的な抱っこ紐・おんぶ紐のダブル使いにチャレンジするママもいるようですが、同時に2つを使うことを想定して作られていないため、使い勝手が良いとは言えません。

BABY&Meの抱っこ紐も、残念ながら2人同時に抱っこすることは想定されていません。誤った装着方法になってしまうと危険ですので注意しましょう。
BELK-S firstセットなら、抱っこ紐とヒップシートの2つを使い分けできるので、それぞれママとパパが装着して抱っこすることができます。

 

家庭によってライフスタイルや生活環境は様々で、ニーズも異なります。それぞれ工夫しながらより良いやり方を模索していると思いますが、安全は最優先されなければいけません。抱っこ紐など便利な道具も、正しく使わなければ思わぬ怪我や事故の危険につながることもありえます。
製品の説明書をきちんと確認し、必要に応じて医師に相談するなどしながら、適切に使いましょう。

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